kurokiyuta
『見知らぬ街から』楽曲解説

こんにちは。
今回はNEWアルバム『見知らぬ街から』の楽曲解説を簡単にですがしていこうと思います。
1.誰も知らない子供のロマンス
不思議なタイトルですね。まだ何者でもない少年が夢や理想や希望を胸に自分の人生を見つけようと旅立つイメージで作りました。そもそもは約9年前僕がライブハウスUHUで自主企画を始める際に自分の決めたこのイベントをやり遂げてやろうという気持ちからほとんどそのままの言葉で書き始めたのですが、それだとさすがに作品として面白くないなと感じてこのような世界観になっていきました。この歌にはかなり苦労させられていて今までに何度もギターの弾き方や歌詞の修正をしていきました。今回のレコーディングに当たってまた更に歌詞を一部書き直していてこのアルバムでようやくひとまずの完成形となりました。
2.Sweet Boy Black
かなり前に作ったメロディがあってそれがとても気に入っていたんです。
しばらくは放っておいたのですがやはりこのメロディはどうしても歌いたいなと思いまして何度も歌詞を考えたのですがどうしてもいいものが浮かばなくてかなりイライラしてきたころにようやくその勢いからか出だしの歌詞が思いついてそこからイメージを膨らませていきました。テーマが決まってからは脱獄や泥棒ものの映画や事件を調べていきました。そうしたら脱獄に成功し逃亡先で結婚までしたのに結局は身元がばれて捕まってしまったという記事を見つけまして。だから僕は歌の中では逃がしてやるかというふうに考えたんです。
嫁さんまで連れてね。
ナタリアという名前は単に発音しやすかったからでモデルがいるわけではないんです。
ただ「Have a nice day!」のくだりは上記の事件とは別ですが実話をもとにしてるんですよ。この曲は堀周平君に録っていただきました。
3.そよ風にさそわれて
この歌は歌詞にそのまま書かれてるとおり外にいるときにそよ風が吹いてきてその匂いで不意に子供の頃や学生時代を思い出して作った歌です。
僕は割と自転車に乗ることが多いのですがそのせいからか自然と過去の思い出と自転車を走らせるイメージが結びつきました。レコーディングではこの曲が一番すんなりとできました。青ケンさんのギターの音作りが素晴らしいです。
4.さよならCountryBoy
前作のタイトル曲だったこの曲は2017年Chuck Berryが亡くなっときに書いた曲です。
前作ではピアノを前面に出したバンドアレンジでしたがライブではギター弾き語りで歌うことが多く是非この形でも音源に残したいと思い今回収録しました。
なおこのアルバムのギターはほとんどの曲をジャケットにも写っている僕の相棒「Gibson J-45」を使用していますが、この曲と9曲目の「二人の空」のみ「Martin D-28」を弾いています。
5.渦巻き
俳優マイケル・J・フォックスが「人間誰しもその時期だからこそできることがある」と何かのインタビューで話していましたがこれはまさにそういった種類の曲と言えるでしょう。
このアルバム収録曲の中では一番古い曲であり僕の記念碑的な曲。
2010年の4月~5月、それまでカバーのみ歌ってきた僕が初めて自作に挑戦して3曲目の曲で初めて自分でも本当に良いものができたと感じた曲でした。
10代で初めてライブハウスのステージに立ちカバーを歌い続けてく中での経験、感じてきたことや固まっていった自分なりの音楽に対する想いや考えがすべてこの歌に詰まっているといっても過言ではありません。今では昔に比べればライブで歌うことも減ってはきましたが作った当時はよく歌っていて好評いただいてました。この曲をレコーディングする際も、青ケンさんが「やっぱりユウタは最初この曲インパクトがすごかった」と言ってくれました。そういえばですが初めてこの曲をステージで歌ったとき客席に青ケンさんがいたんですよ。
過去にCD-R作品で発売しましたが今回新しく良い音で残せてよかったです。
ここではうまく書ききれないほど僕に人生において最も特別な曲です。
6.光の街
レコーディングが始まってから何か一曲新しいものをと思い書いた曲です。
そもそもはレコーディングが始まる数か月前からメロディーや構成はほとんど出来ていて歌詞だけがなかったのですがレコーディングは始まってしまったというのが僕にとって良いプレッシャーになり完成に漕ぎ着けることができたという感じでした。
コロナ禍が収束した世界はこんなんじゃなかろうかと思いながら書きました。とにかく良い歌詞が思いつかずかなり大変な作詞だっと記憶してます。
僕の曲の中ではほぼ初めて「明るい曲を作る」という意識を強く持って書き上げた曲だと思います。
ちなみに「難しいことなんて何も考えなくていい」という歌詞はどうしても良い詞が思いつかなかった時「きっと難しく考えすぎなんだ、もう難しく考えるのはやめよう」と思ってそう自分に言い聞かせたらそれがそのまま詞になったんですよ。
7.どんな花?
ライブでは定番の曲ですね。堀周平君に録っていただきました。
前作のアルバムでバンドアレンジで収録していましたがこの曲も弾き語りでも残しておきたいと思い収録しました。バンドアレンジでは軽快な調子が前面に出ていましたがこうしてギター1本にしてみるとこの曲に込められた一種の魂の重みともいうべきものが少しばかりクローズアップされてくるのではないかと思っています。
8.いつものように
この曲は約10年前「どんな花?」とほぼ同じ時期に作った曲のせいか、なんとなくこの二つは兄弟同士のような気がしています。僕なりの孤独をテーマにした曲です。
レコーディング中青ケンさんが曲の内容について話してくることはほとんどなかったのですが、この曲については「いい歌詞だね」と言ってくれました。忘れません。
9.二人の空
こちらも前作のアルバムでバンドアレンジで収録した曲なのですが、ギターの響きがとても綺麗なので是非弾き語りで残したいと思い収録いたしました。
今回収録するにあたり歌詞を一部書き直しました。上記のとおりこの曲もギターは「Martin D-28」を使用しています。
この曲は青ケンさんがとても気に入ってくれてアルバムの最後に持ってきたのも青ケンさんのアイディアなんですよ。
ミックスにあたりまずは青ケンさんが全曲ミックスしてそれを二人で聴きながら微調整していくというやり方だったのですがこの曲だけはまったく修正なしの完全なる青ケンミックスです。素晴らしいですね。
以上楽曲解説でした。皆さまにとってこのアルバムを楽しむためのほんの調味料にでもなれたら良いのではないかと思います。
今後ともどうぞこの『見知らぬ街から』をよろしくお願いいたします。
それではまた見知らぬ街のどこかでお会いしましょう。
ではまた。